アットノンという「傷あと改善薬」がニキビ跡を消してくれるっていうことで人気を集めていますよね。ネットの口コミには「ニキビ跡が薄くなった!」「ニキビ跡が消えた!!」「お肌がきれいになった!!!」なんていう嬉しい報告がたくさん。
「やった!これでこのボコボコ肌ともサヨナラできる!」
なんていう希望を持ってアットノンを買いに走る人が続出しそうですね。でもですね、じつは、そんなに上手くいく話ではないんです…
そもそもアットノンってどんな商品なの?
アットノンは小林製薬が販売する傷あと・火傷のあと・虫刺されを掻きむしったあとなどを改善していく「傷あと改善薬」です。アットノンには現在、「透明ジェルタイプ」「クリームタイプ」「コンシーラータイプ」「ローションタイプ」の4種類あります。
「傷あとを改善する効果効能」は4種類とも同等ですが、ネットでニキビ跡に効果があるとして良く使われているのはクリームタイプか透明ジェルタイプが多いようですね。
アットノンの有効成分は「ヘパリン類似物質」で、これこそが「アットノンがニキビ跡も改善してくれる!」と言われる根拠となっている成分なんです。ヘパリン類似物質には「血行促進作用」「水分保持作用」「抗炎症作用」があり、この3つの作用ができてしまった傷あとを治していくんです。
血行促進作用
血行が良くなることでターンオーバーも促進され、傷あとが残った部分の皮膚も新しく生まれ変わっていくということですね。
水分保持作用
傷を受けたお肌は汗腺・皮脂腺などが欠如しているので「乾燥しやすい・外からの刺激を受けやすい」という特徴があります。水分量が少なく、外からの刺激に弱いとターンオーバーも正常に働いてくれません。ヘパリン類似物質には水分を保持し、保湿性と柔軟性を取り戻す働きがあるため、ターンオーバーの働きを手助けし傷あとが残ったお肌の生まれ変わりを助けてくれるということですね。
抗炎症作用
傷が治ったあとでもお肌の内部では慢性炎症が持続しています。ヘパリン類似物質は傷あと内部で慢性的に起きている炎症をしずめます。
アットノンに配合されているヘパリン類似物質はこのようにして傷あとを治療していくわけです。そしてニキビ跡は「ニキビによってできた傷あと」だからこのヘパリン類似物質のおかげでニキビ跡もキレイに治っていくと考えられているんですね。
で、アットノンはニキビ跡にも本当に効果があるの??
確かにヘパリン類似物質には傷あとや火傷あとを治療してくれる効果があるため、ニキビ跡も効果がありそうですよね。ネット上の口コミでも、
- ニキビ跡がだんだん薄くなてきてる!
- 赤味が消えた!
- 時間はかかるけど確実にニキビ跡が消える!
- 凹んだ部分が浅くなってきた!
なんていう絶賛の声!「アットノンはニキビ跡専用の治療薬でしたっけ?」というくらいニキビ跡に効果があったっていう口コミが多いんですね。
でもですね、アットノンはニキビ跡改善薬ではありません。というよりも「改善できるニキビ跡とできないニキビ跡がある」んです。
どういうことかを説明する前に、ニキビ跡には種類があるのはご存知でしょうか?まず、今ニキビ跡で悩んでいる方にお聞きします。ニキビ跡というとどのようなものを想像しますか?
「凹んでクレーター状になったもの?」
「赤くなってしまったもの?」
「茶色くシミになってしまったもの?」
これらは見た目は全然違いますが、全てニキビが原因でできるニキビ跡です。
クレーター状のニキビ跡
お肌が凹んでしまっているのが特徴。炎症を伴うニキビによってお肌の深い部分まで傷つくことでできるニキビ跡。「真皮にまでダメージが及んでいる部分」と「正常な部分」ではターンオーバーが均一ではないためターンオーバーが正常に行えずに凹んでしまうと言われています。
赤みのあるニキビ跡
炎症が起こると、傷を治すために毛細血管が集まり拡張します。赤みのあるニキビ跡は集まった毛細血管の血の色が透けて見えることが原因なんですね。
茶色いニキビ跡
炎症でダメージをおったお肌はメラニンが大量に生成されてしまい、ニキビが治った後にもお肌に残り続け茶色いニキビ跡となってしまいます。いわゆる色素沈着ですね。
このようにニキビ跡といっても原因は様々。この中で、アットノンが効くと考えられるのは「赤み・茶色のニキビ跡」の2つ。
赤みのあるニキビ跡も茶色いニキビ跡もターンオーバーを繰り返すうちに少しずつ薄れていくタイプのニキビ跡なので、「ニキビ跡内部の炎症を抑え、水分保持効果・血行促進効果でターンオーバーを促す」というヘパリン類似物質が配合されたアットノンはこの2つのタイプのニキビ跡には効果が期待できるということですね。
ではクレーター状のニキビ跡はどうでしょうか?先程もお話しした通り、クレーターは真皮にまでダメージが及んでいる状態。残念ながら有効成分がそこまで届くとは考えられず、しかもターンオーバーというのは真皮ではなくその上の表皮で行われているものなのでターンオーバーで傷が治っていくという考え方にも当てはまらないんですね。
だから「クレーター状のニキビ跡がアットノンで治る」っていうのは難しい話なんです。
「でもアットノンで凸凹が治ってきたっていう口コミも実際あるじゃん?!」
確かにそういう声もあります。でも、それはアットノンに配合されているヘパリン類似物質の「水分保持作用が原因」ではと考えられるんです。つまり、ヘパリン類似物質をクレーター状のニキビ跡に塗ることで水分量が上がりますよね。
そうすると「凹んでいる部分にもハリが出てクレーターが改善されたような気になるってこと」なんです。でも、実際は真皮部分が修復されているわけではないので、クレーター状のニキビ跡が改善したとは言えないんですね。
あとね、もう一つ大切なこと!ニキビができやすい場所ってほとんどが顔だと思うんですけど、実はアットノンには
「顔面にあるやけどのあと・傷あと、かさぶたには使用しないこと」
っていう注意書きがあるんですよ。つまり、顔にアットノンを塗るのはやめてくださいねって小林製薬さんが言ってるんです。もちろん赤み・茶色のニキビ跡にはアットノンが効果がありそうなんですけど、そもそも顔用ではないんですね。
顔はメイク・洗顔などで毎日刺激を受けている上、常に紫外線や外気にさらされているため体の他のパーツよりもお肌が繊細だと考えられています。しかもニキビができている・もしくはできていたお肌は余計に繊細な状態。
そんな場所に「顔には使わないでください」と言われている製品を使うのはあまりに危険な話だということ、ちゃんと知っておいてほしいですね。
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