ドルマイシン軟膏がニキビに効く?ウソ?ホント?

ドルマイシン軟膏とニキビ

 

ニキビで悩む方にとって

 

「あの薬を塗ったらニキビが数日で治まったよ!」

 

なんていう話は「天から降りてきたクモの糸ですか?」って言うぐらいありがたい情報ですよね。

 

最近見つけたクモの糸は「ドルマイシン軟膏」という市販薬。傷薬として有名な軟膏ですが、こちらもニキビに効果があるとして話題になっているんです。

 

でもこのクモの糸、本当につかんでも良いんでしょうか?

 

 

 

 

そもそもドルマイシン軟膏ってどんな薬?

 

ドルマイシン軟膏(以下ドルマイシン)はゼリア新薬から販売されている薬です。

 

ドルマイシンは傷やヤケドなどが化膿するのを予防したり、伝染性の皮膚炎・化膿症などの治療に使われる塗り薬。

 

一般的な薬局やドラッグストアで購入することができ、一家にひとつは常備されているようなメジャーな軟膏です。

 

ニキビ専用の薬というわけではないんですね。ではなぜドルマイシンがニキビに効果があるとされているのでしょうか?

 

それは「ドルマイシンに配合されている有効成分に秘密」があるんです!

 

 

 

ドルマイシン軟膏がニキビに効果があると言われている根拠って?

 

ドルマイシンに配合されている有効成分は「コリスチン硫酸塩」と「バシトラシン 」の2つの「抗生物質」です。

 

抗生物質とは簡単に言うと、細菌の増殖を抑えたり細菌を殺す役割を持った薬。抗生物質には色々な種類があり、それぞれの抗生物質によって効果の出る細菌の種類が変わってきます。

 

ドルマイシンに配合されている抗生物質は2種類。「コリスチン硫酸塩」はグラム陰性菌と緑膿菌に効果を発揮し、「バシトラシン」はグラム陽性・陰性菌に効果を発揮します。

 

 

「なに?このめんどくさそうな話、まだ続くの?」

 

 

って感じですよね。要は「ひとつの薬に2種類の抗生物質が入っているから幅広い菌を殺せますよ!」ってことです。

 

で、ニキビの話につながる訳なんですが、ニキビの原因は過剰に分泌した皮脂や古い角質などが毛穴にたまり、そこに菌が繁殖することですよね。

 

菌が繁殖してしまうと炎症を起こした「赤ニキビ」になり、次第に膿を持った「黄ニキビ」に変わっていきます。

 

この菌が繁殖した状態のニキビにドルマイシンを塗ると抗生物質が菌を殺してくれるため、炎症をしずめることができニキビが早く治るというこということなんです。

 

ニキビの原因のひとつである菌を抗生物質が殺菌してくれるからニキビが治るってことですね。

 

 

「ほう、じゃあやっぱり効果があるんだ!じゃあこのクモの糸、つかんでも良いんですね!」

 

 

「あっ、ごめんなさい!そのクモの糸、天国に繋がっているんですけど途中でプチンと切られてしまう可能性大なんです!」

 

 

 

 

ドルマイシンに限らず抗生物質の使用はオススメしたくない…

 

「ドルマイシンがニキビに効果があるっていうのは事実なんでしょ?じゃあお勧めできないってどういうこと??」

 

はい、「効果があるという根拠」はしっかりとあります。でもね「お勧めできない根拠」もしっかりとあるんです!

 

実は抗生物質はニキビの原因となる菌も殺菌してくれるんですけど、それ以外の菌も殺菌してしまうという弱点もあるんです…ニキビができてしまうのは、

 

  • 皮脂の過剰分泌
  • 毛穴詰まり
  • 菌の繁殖

 

 

この3点がですよね。

 

では、なぜ皮脂が過剰に分泌してしまうのかはご存知でしょうか?なぜ毛穴が詰まってしまうんでしょう?

 

お肌は乾燥すると「これ以上の水分蒸発」を防ごうとして皮脂膜を作るために皮脂が過剰に分泌してしまうんです。

 

更に乾燥が原因でターンオーバーが上手くいかなくなってしまい、本来ならターンオーバによって剥がれ落ちるはずの古い角質がお肌にこびりついた状態になってしまうんです。

 

この古い角質が毛穴を塞いでしまい、そこに菌が繁殖して炎症を伴うニキビになるということですね。

 

 

つまり大人ニキビの原因を作っているのは「お肌の乾燥」ってこと!

 

 

ここで抗生物質の話に戻りますが、抗生物質がお肌の菌全体を殺菌してしまうことの何が問題かというと…

 

 

「お肌を乾燥から守っている菌まで殺菌してしまうということなんです!」

 

 

お肌には、お肌を健康に保ってくれている「善玉菌」も存在しているんです。

 

皮脂は膜となって水分の蒸発を防いでくれていますよね。でもお肌から分泌された皮脂はすぐに膜になるというわけではなく、この「善玉菌」が分解してくれることではじめて「皮脂膜」として働くことができるんです。

 

つまり、抗生物質がニキビの原因となる菌だけでなくこの「善玉菌」まで殺菌してしまうと、皮脂膜の形成に支障をきたしてお肌の乾燥が更に促進してしまうということなんです。

 

しかもね、抗生物質は長期間使うと、抗生物質が効かない「耐性菌」という菌ができてしまうんです。

 

抗生物質は最初はニキビに効果があったとしてもいずれは耐性菌のせいで効かなくなり、しかも乾燥が促進してニキビが悪化しまうということになっちゃうんです。

 

せっかく天国へ向かって一生懸命クモの糸をのぼっていったのに途中でプツンと切られてしまうということですね…

 

もちろん、抗生物質を本当に短期間ニキビを抑えるという目的で使用するのは反対しませんが、本当にニキビを根本的に治したいなら

 

 

「まずはお肌の乾燥を改善しないと!」

 

 

ていうことなんですね。「お肌の乾燥の原因」については話すと長くなりますので、以前私が書いた記事を参考にしてみてください!

 

洗顔したらニキビが増えた!?やってしまった3つの間違い?

 

 

 

 

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