実は日本のニキビ治療は「欧米諸国に比べて遅れている」と言われているのはご存知でしょうか?
「先進国であるはずの日本の治療が遅れているなんて…」
にわかには信じることができませんよね。ですが、実際「日本のニキビ治療は世界標準から10年以上遅れている」と主張されています。
その原因として「世界中で効果と安全性・使用が認められている治療薬が日本では使用できない」という問題を挙げている皮膚科の専門医が多くいらっしゃるんですよ。
使用できるニキビ治療薬が限られているため、ニキビに有効な治療の選択肢が少ないということです。
しかし、そんなニキビ治療で遅れをとっている日本でも「ニキビ治療の選択肢」が広がりつつあります。
それは2015年に「あるニキビ治療薬」の使用が始まったから…
このニキビ治療薬のおかげで「保険適応で世界標準レベルの治療がやっと日本でもできるようになる」とまでおっしゃる皮膚科の先生もいるぐらい…
そのニキビ治療薬というのが「ベピオゲル」という新薬。今回はこの新薬「ベピオゲル」が本当にニキビに効果があるのかをお伝えしたいと思います。
この記事の目次
ベピオゲルの有効成分と効果&効能
「ベピオゲル」はマルホ株式会社が販売するニキビの治療薬。正式名称は「ベピオゲル2.5%」といい、名前の通りゲル状の塗り薬です。
病院で処方される薬ですからもちろん処方箋なしでは購入できません。
ベピオゲルの有効成分は、世界中のニキビ治療ですでに活用されている「過酸化ベンゾイル」という成分。
そして「ベピオゲルの効果・効能」はこの過酸化ベンゾイルの作用が中心となっており、過酸化ベンゾイルの持つ「抗菌作用」と「角質剥離作用」でニキビを治療していきます。
ニキビには白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビ・黄ニキビといったように段階を追って進行していきます。
ベピオゲルは「菌が繁殖している赤ニキビ」だけでなく「まだ菌が繁殖していない白ニキビ・黒ニキビ」に対しても効果を発揮するのが特徴です。
ではベピオゲルがどのようにしてニキビに対して効果を発揮していくのかを見ていきましょう。
ベピオゲルの効果・効能 「抗菌作用」
毛穴に皮脂やメイク汚れ・ホコリなどが詰まりそこに菌が繁殖して赤ニキビができてしまいます。つまり赤ニキビができる原因は「毛穴詰まり」と「菌の繁殖」です。
ベピオゲルはこの赤ニキビの原因である「菌の繁殖を抑える」ことにより赤ニキビを減少させます。人の肌には常に菌が住んでいて、この菌が常在菌と呼ばれているのはご存知ですよね。
これらの常在菌の中には「酸素がないと生きていけない菌」と「酸素があると死んでしまう菌」がいます。
実は赤ニキビの原因となる菌もこの常在菌のひとつなんです。そしてこのニキビの原因となる菌は「酸素があると死んでしまう菌(嫌気性菌)」に分類されるんです。
つまり「酸素を与える作用を持つ物質」をニキビに与えることでニキビの原因となる菌を死滅させることができるということですね。
そこで登場するのがベピオゲルです。ベピオゲルの有効成分である過酸化ベンゾイルは「酸化剤」で酸化剤というのは「酸素を与える作用を持つ物質」です。
ベピオゲルは酸素でニキビの原因となる菌に直接攻撃をして、ニキビを減少させていくということです。
ベピオゲルの効果・効能 「角質剥離作用」
ベピオゲルは「菌の繁殖している赤ニキビ」だけでなく「菌がまだ繁殖していない白ニキビ・黒ニキビ」にも効果を発揮します。
古い角質が毛穴の中に詰まり表面がふさがってしまった状態のニキビを白ニキビといいます。
毛穴がふさがった状態のため皮脂がスムーズに排出されずに毛穴が広がり膨らんでいて、まだ菌が繁殖しておらず炎症を起こしていないのが特徴です。
それに対し黒ニキビとは、白ニキビと同様に毛穴に古い角質や皮脂が詰まってしまっている状態なんですが、毛穴が開いているため皮脂が酸素に触れて酸化して黒くなっているものを指します。
こちらも菌が繁殖しておらず、炎症を起こしていません。
この白ニキビ・黒ニキビに菌が繁殖してしまうと赤味を伴う「赤ニキビ」に進行してしまいます。
白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビに共通しているのは皮脂や古い角質が毛穴に詰まってしまう「毛穴詰まり」だということ。
抗菌成分が配合されたニキビ治療薬では赤ニキビを減少させることができても、菌の繁殖を伴わない白ニキビ・黒ニキビには効果がないということですね。
ベピオゲルの有効成分である過酸化ベンゾイルには「抗菌作用」だけでなく、「角質細胞の結合を緩め角質を剥離しやすくするという角質剥離作用」も持ち合わせています。簡単にいうと、
「過酸化ベンゾイルには毛穴に詰まった古い角質を取り除く作用」
もあるということ。つまり白ニキビ・黒ニキビの原因である「毛穴詰まり」を改善して白ニキビ・黒ニキビを減少させてくれるんです。
白ニキビ・黒ニキビに菌が繁殖することで炎症を伴う赤ニキビに進行してしまうため、「ベピオゲルの持つ角質剥離作用で白ニキビ・黒ニキビを減少させることができると赤ニキビ自体の発生も防ぐことが可能」ということですね。
ベピオゲルの副作用は?
ベピオゲルは「菌の繁殖していないニキビから炎症を起こしたニキビ」まで幅広い段階のニキビに効果を発揮する画期的な治療薬ですが、もちろん副作用も報告されています。
確認されている主な副作用は以下の通りです。
- 皮膚のかゆみ・かぶれ・しっしん
- 表皮が剥がれ落ちる
- 粉をふく
- ヒリヒリとする・刺激を感じる
- 皮膚に赤味が出る
- 肌が乾燥する
特にお肌の弱い方・敏感な方は刺激を受けやすいようです。
医師の指示を守らず自己流の誤った使い方をすることで上記の症状が現れる場合もありますので、必ず医師の指示に従い用法用量を守って使用してください。
ただし、用法用量を守っていても副作用が起きてしまうことはありますし、副作用だと思っていたらアレルギーだったという可能性もあります。
自己判断をせず異常を感じたら直ちに使用を中止し、医師の診療を受け医師の指示に従ってください。
また、眼・口唇周辺にはつけないようにとの注意書きがあるのですが、誤って目・口周辺に塗布してしまうことで「眼瞼炎」「口角炎」にかかってしまうという副作用も報告されているようです。
>>【写真付き】約1ヶ月半でニキビができなくなり、ツルツルお肌を取り戻した方法
ベピオゲルの使い方&注意点
ベピオゲルの使い方は「一日一回、洗顔後に患部に適量塗布するだけ」と簡単なのですが、使用する上で気をつけていただきたい事がいくつかありますのでそちらを先にお伝えしますね。
- べピオゲルには漂白作用があるため髪の毛や服に付着しないように気をつけ、使用後はしっかり手を洗うようにしてください。
- ベピオゲルを使用中は紫外線の影響を受けやすくなるため、基本的に1日1回夜に患部に塗布し、日中はしっかりと紫外線対策を行ってください。
- 1日に何度もベピオゲルを使用したり量を多く使ってもニキビが早く治るわけではありません。用法用量を守ってお使いください。
- 目や口の周り・粘膜・傷口には使用できません。
- 直射日光・湿度の高い場所を避け、25度以下で保管してください。
- 角質剥離作用があるため、ピーリング石けんなどと併用するとお肌に大きなダメージを与えてしまう可能性があります。ベピオゲル使用中はお肌に優しい石けんを使用してください。
ベピオゲルの使い方
一般的な使い方をご紹介しますが、医師の指示と異なる場合は医師の指示に従ってください。
- お肌に刺激の少ない洗顔料で顔を洗い、ニキビを刺激しないようにタオルで押さえるようにして水分を拭き取ります。
- 薬が髪の毛につかないようにヘアバンドやクリップなどでしっかりと留めてください。
- 薬を清潔な指にとってください。
- 薬を患部に適量塗布します。
- しっかりと手を洗い、手についた薬を洗い流してください。
ベピオゲルのみんなの口コミ
ベピオゲルを実際に使用したことのある方の口コミを調べてみました。良い口コミと悪い口コミがありましたので、両方お伝えします。
- 使いはじめてだいたい2週間くらいでニキビの数が減ってきた。
- 最初はカサカサに悩まされたけど使っていくうちにかさつきは無くなってニキビも良くなった。
- 新薬だから情報が少なくて使うのが心配だったけど、結果ニキビが減ってきてすごく嬉しい。
- 最初はニキビが増えた気がするんだけど1ヶ月もしないうちにニキビが減ってきた。最初我慢してよかった。
- 副作用もなくニキビが減った。今は3日に一度くらいのペースに減らしたけどニキビは再発していない。
- 使っている時はニキビが減るけど、使うのをやめるとニキビがまた悪化する。
- 乾燥がハンパないので乾燥肌には向かない気がする。
- 毎日使うと皮が剥けてしまう。
- 顔が腫れてしまった。
口コミを見ていくと、副作用が出なかった方は1週間から2週間ほどで効果を感じ始める方が多いようです。
またひりつき・乾燥などの副作用を感じた方でも、使い始めてから1ヶ月~2ヶ月ほどで副作用が和らいだ方や、化粧水などでお肌を保護してからベピオゲルを塗ることで使用を継続できるようになり、ニキビに効果を感じるまで使う事ができた方もいらっしゃるようです。
とはいっても副作用が出た場合には自己判断で継続使用せずに、かかりつけの医師に判断を仰いでくださいね。
ベピオゲルの気になるあれこれ
一概にどちらが効果があるとは言えません。
「ディフェリンゲル」も「ベピオゲル」も毛穴の詰まりを取り除く作用のあるニキビ治療薬ですが、一般的にはディフェリンゲルの方がかゆみ・乾燥・皮剥けなどの症状が強く出る傾向にあり、そのため途中で使用を挫折してしまう方も多いようです。
ベピオゲルを使用して副作用が出てしまう方も少なくはありませんが、ディフェリンゲルに比べると症状が軽く使いやすいと言われています。
また、ディフェリンゲルには「抗菌作用」はありませんがベピオゲルには抗菌作用があります。
ディフェリンゲルを含め、従来の治療法では「角質剥離作用のある薬」と「抗菌作用のある薬」を併用するのが一般的でしたがベピオゲルはこの両方の作用があるため、ベピオゲル単体での治療ができることもベピオゲルの利点です。
ベピオゲルは白ニキビ・黒ニキビ・赤ニキビの治療薬です。ニキビ跡の治療薬としては使用されていません。
今まで皮膚科で処方されていたニキビ治療薬には主に抗生物質が使用されていました。
抗生物質にはニキビの原因となる菌の増加を抑える働きがあり、もちろんニキビの治療には有効なのですが、抗生物質を長期間使用し続けると「耐性菌」が生まれてくるという問題があるのです。
耐性菌とはその名の通り、抗生物質に耐性を持つ菌。つまり耐性菌が生まれてしまうと抗生物質が効かなくなってしまうため、抗生物質が入ったニキビ治療薬を使用してもニキビの原因である菌の繁殖を抑えられなくなってしまうんです。
そのため抗生物質の入った従来のニキビ治療薬では長期間の治療には向いていませんでした。
しかし過酸化ベンゾイルの場合、酸素を与えてニキビの原因である菌を死滅させてしまうことができるためベピオゲルの使用によって耐性菌が発生することはないと言われています。
ですから、ベピオゲルは従来のニキビ治療薬では難しかった「長期的な使用・繰り返しの使用」を行うことができるということです。
ベピオゲルもニキビへの高い効果が期待できますが、すべての人に効果があるとは思いません。
なので、下記のようなニキビ薬もあるのでチェックしてみてくださいね。
ベピオゲルのまとめ
- 白ニキビから赤ニキビまで幅広い段階のニキビに効果を発揮する
- 1本で「抗菌作用」「角質剥離作用」の2つの作用を併せ持つ
- 耐性菌を発生させないため長期的な使用が可能
ベピオゲルにはこういった特徴があり、副作用の心配はあるものの今までにないニキビ治療薬として期待されています。
ニキビで困っている方は一度皮膚科で診察を受けてベピオゲルについて相談してみるのも良いのではないでしょうか。
ですが、「ニキビの治療において一番大切なこと」をお伝えしたいと思います。
それは薬では、
「今あるニキビは治すことができてもニキビを予防することはできない」
ということ。どういうことかと言うと、ベピオゲルを含むニキビ治療薬は今あるニキビを治療する事はできても「ニキビができてしまう根本原因を取り除く成分」は入っていないということなんです。
ニキビができてしまう原因は「毛穴詰まり」だと先程お伝えしましたが、毛穴が詰まってしまう根本原因は年齢によって大きく変わってきます。
思春期では「ホルモンバランスの乱れ」が毛穴詰まりの原因となりますが、20代を過ぎるとその原因は「お肌の乾燥」へと変わるんです。
お肌の乾燥が原因で毛穴詰まりを起こしてしまい、そこに菌が繁殖し赤ニキビができてしまうのです。
つまり、ニキビの根本原因は「お肌の乾燥」なんです。
ニキビ治療薬でニキビを治すことはできますが、ニキビの根本原因であるお肌の乾燥を解消することはできません。
根本原因を解消しないことには「ニキビ治療をやめてしまうとまたニキビができてしまう」ということなんです。
薬というのはあくまでも、できてしまったニキビを治療するために使う「その場しのぎ」のものです。
もちろん薬の使用を否定しませんが、薬でニキビを一時的に抑えている間に「根本原因であるお肌の乾燥」にもしっかりとアプローチして、薬での治療をやめてもニキビがぶり返さないお肌を作ることが根本的なニキビ治療と言えると思いますよ!
お肌が乾燥してしまう原因は様々ですが、実は「過剰な洗顔・丁寧すぎる洗顔」など日々の間違ったお手入れが原因な事が多いんです。
じつは、このことに気がついている方も意外と少ないので、再確認するつもりでここで問題です!
私は友人の答えを聞いてね…引きました(汗)その友達の答えは…
「なんと《A》だったんです…」
「えっ!?何がいけないの?」って場合は、必ず下記の記事をチェックしてください…
「か・な・ら・ず」です(汗)
最後に!
「もしスキンケアについて具体的に悩んでいることがある!」っていう場合はチェックしてみてください。あなたの悩みが即効で解決するかも…
そもそもニキビ用コスメ選びが間違っている方
これが「ニキビ用コスメ」を使い続けた結果です。確かに即効性を求めているなら物足りないかもしれないけど、そもそも「即効性があるものってコワくないですか?」っていうのが私の結論^^;じっくり取り組むことで「ニキビのない肌を取り戻したい方」にはオススメです。
参考記事 使い続けることで効果を実感!「ニキビ用最強ライン」の体験レポ
ファンデーション選び?これが意外と大事!
ファンデーション選びを間違うと意外とニキビを悪化させちゃいます…^^;ファンデーションってお肌に直接塗るものだし、毛穴を塞いでしまうものもあるので間違ったものを使っていると「そりゃあ、ニキビはヒドくなるよね…」って感じなので、もちろん、洗顔とかも大事だけど、ファンデーション選びもかなり大事ですよ。
ビタミンC誘導体の化粧品がなぜニキビ跡にイイの?
ニキビ跡を化粧で隠したとしても、その場しのぎにしかならないし、できれば早いとこ消し去りたいですよね(苦笑)そんなときに大活躍なのがビタミンC誘導体です。じゃあ、実際にどういう効果があるのか?敏感肌でも大丈夫なのか?きになる方はチェックしてみてくださいね。
リキッドファンデとBBクリーム、どっちがいいの?
「ニキビは悪化させたくないし、でも、ニキビは隠したい…」リキッドファンデと今人気のBBクリーム、ニキビ肌のような私たちにはどちらがいいの?じつは、ニキビを悪化させないためにも選び方にはポイントがあるんです!
参考記事 リキッドファンデとBBクリームの違い?ニキビ肌にはどっち?
正しい方法ならニキビを潰してもいいの!?
潰してしまった方がいいニキビというのがあります。もちろん、こんな状態になってしまうのにはどこかに問題があるとは思うんですけど^^; でも、「放っておくとニキビ跡に!」こんなコワイ状態になるぐらいなら正しい方法で潰してしまった方がいいですね。
参考記事 ニキビの白い膿の正体はなに?出すのは?潰していいの?